バンコクからアユタヤへ電車移動

フアランポーン駅のホーム

バンコクのフアランポーン駅からアユタヤ行きの電車に乗り込んだ。ここから北へ80km、約2時間の移動だ。

古い日本の電車

車両には昭和47年日立製作所製と刻印があった。くたびれたシートに天井の扇風機が回っているだけで暑かったが、列車が動き出すと旅の実感が沸く。窓から入る風を浴びながらアユタヤへ向かった。

近くに座っていたタイ人女性が、僕らが日本人だと気づいて「コンニチワ」と挨拶をしてくれた。日本語を勉強しているので教えてほしいそうだ。タイ人女性の書いた英文を日本語に訳して書き、漢字の読み方などを教えていると、後ろの席の白人男性が話しかけてきた。彼は日本に7年も住んでいたことがあり日本語がペラペラだった。のどかな田園地帯を走る列車でタイ語、英語、日本語を交えての勉強会が始まった。

駅名不明のホーム

1時間はそんな時間が続いただろうか。タイ人女性が途中駅で下車した後も、男性と話を続けた。カナダ人の彼は、ベトナムやラオスを一人旅していて、アユタヤに向かっているところだった。しばらく話をしているとトラブルが発生した。

さっきから止まったり進んだりを繰り返していた電車が、途中の駅でストップしてしまった。タイ語でアナウンスが流れるがさっぱりわからない。近くの女性に降りるよう促された。車両が故障したため、ここで降りて次の列車に乗り換えるようだ。

バックパック

少し待ってやってきた次の電車は、満員で座る場所も立つ場所もないような状態。僕らは列車の連結部に立ち乗りした。

アユタヤ駅

アユタヤまで何度か小さな駅に停車するが、駅名がタイ語なのでどこがアユタヤ駅なのかわからない。僕がタイ語表記を調べて手の甲にメモしていると、近くにいたタイ人男性が英語でアユタヤはここから2つ先の駅だと教えてくれた。小さな親切が嬉しかった。「コープンクラップ」とタイ語でお礼をし、無事アユタヤ駅に下車した。

アユタヤまで2時間で着くはずが4時間以上かかってしまい、太陽が傾き始めていたので、遺跡をまわってバンコクに日帰りする予定だったカナダ人男性は困っていた。僕らの泊まるホテルまでトゥクトゥクで一緒に移動し、ホテル前で男性と別れる際にメールアドレスを交換、そして名刺をもらって驚いた。彼はガイドブックLonely Planetのライターだった。

AYOTHAYA HOTEL

チェックインしたAyothaya Hotelというホテルは、ロビーにポーターが待機する二つ星ホテルだった。案内された部屋には、アメニティグッズまで用意されている。この旅では安宿を泊まり歩くはずなのに、こんなホテルに泊まっていて大丈夫だろうか。料金はバンコクで組んだツアーに含まれているので不明だ。

アユタヤの市場
アユタヤの市場のランブータン

部屋に荷物を置いてからホテルの向かいにある地元の市場へ行ってみた。市場は庶民の生活感に溢れている。近くに大きなスーパーなどはなさそうなので、ここがアユタヤの人々の台所になっているんだろう。魚や野菜、熱帯のフルーツがところ狭しと並んでいた。

アユタヤまでの道中、出会いや小さなハプニングもあり楽しい移動だった。朝のトゥクトゥクに乗って旅行会社に連れて行かれたことから始まったと思うと、偶然も必然だったのではないかと思える。