東南アジアの旅を終えてバンコクから香港へ

バンコクの国際公衆電話

バンコクから南に463kmのチュンポンを出発した夜行バスは、雨のマレー半島を夜通し北上し、早朝4時半にバンコクのカオサン通り近くに到着した。深夜まで騒がしいカオサン通りもこの時間は静かだ。タイの朝は気持ちいい。少し歩いて、荷物を預けていたゲストハウスWelcome Sawasdee Innに再びチェックインした。

この旅の次の目的地「香港」まではワンワールドの世界一周航空券を使って飛ぶ。世界一周航空券は出発便以外は全てフライトの日付をオープンで発券したので、香港行きのフライトの日時を予約する必要があった。予約の方法を知らなかったのでコンビニで国際テレホンカードを購入して、日本のキャセイパシフィックのオフィスに電話してみたら、2~3分の通話で簡単に予約を入れることができた。タオ島で一緒に滞在していた友人のケンも同じ日のフライトで香港に飛べることになったので、中国横断の旅に心強い仲間ができた。

東南アジアを旅する間、ゲストハウスで夜な夜なHTMLとCSSを勉強して制作を続けてきた旅行記のWEBサイトをサーバにアップできたので、家族に旅の様子を写真と文章で伝えることができるようになった。(※この時のWEBサイトは閉鎖)

バンコク バスの車内
バンコク バスの車窓から

東南アジアを周遊している期間、地球の歩き方や小説などの本、予備の衣類、防寒具などの荷物をバンコクのゲストハウスに預けて旅をしていた。そのため、バックパックの重さを気にしていなかったが、今後の旅は全ての荷物を抱えて移動することになる。改めて旅の荷物の多さに気づいたので、まとめて日本に送り返ことにした。早速、路線バスでバンコクの中央郵便局があるエリアへ向かった。

バンコクの中央郵便局 プミポン国王

バンコク中央郵便局の正面には、国民に愛されるプミポン国王の大きな写真が飾られている。

バンコク 中央郵便局の内部

郵便局で荷物やお土産など合計6.5kgを船便で日本へ送り、送料は1,310バーツ(4,700円)だった。二人で6.5kg分の荷物を減らしたと考えると気分も軽くなる。長期の旅に出て分かったのは、旅の荷物は最小限でいいということ。服や日用品は旅先で買えばいいだけだった。

スワンナプーム国際空港

バンコクのゲストハウスをチェックアウトして、スワンナプーム国際空港までエアポートバスで向かった。そして、空港に着いた瞬間、僕はやらかしてしまった。肩にかけていた一眼レフNikon D40を落としてしまったのだ。レンズフィルターが割れ、ズームリングがスムーズに動かず、オートフォーカスの動きもひっかるようになってしまった。落としたカメラ本体が無事なのは不幸中の幸いだが、交換レンズはそこそこ高価なので、香港に着いてから交換レンズを入手できるか心配だった。

スワンナプーム国際空港 上空

バンコクのスワンナプーム国際空港を16:05に離陸したボーイング777機は、1時間の時差をまたいで19:55に香港空港に到着する予定だ。

日本を発ってからの約3ヶ月間をタイ、カンボジア、ベトナム、ラオスの4カ国で過ごした。東南アジアは1ヶ月で回ろうと考えていたが無理だった。知らない世界での行き当たりばったりの旅は最高に楽しい。僕は20代前半で世間のレールから逸れてしまったので、身近な世界に対しても少し塞ぎ込みがちになっていたが、旅に出て本来の自分を取り戻せたように感じる。出発まで完治していなかった胃潰瘍の薬は旅に出てから一袋も飲んでいないので全て捨てた。好奇心は人の多くを変えると思う。