密林に埋もれた遺跡ベンメリアとアンコール・ワット
![シェムリアップのゲストハウス](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070505-DSC_0559-1280x851.jpg)
朝、他の宿を探すためゲストハウスをチェックアウトしようとしたらスタッフに引き止められた。「広くて窓のある2階の部屋に変えるから泊まっていけ」と言う。「チープでグッドなアンコールの遺跡ツアーもある」と熱心に説明するので、この宿に留まることにした。シャワーの水が鉄臭いのは嫌だが、二人で一泊7ドルなら仕方ないか。
ツアーはプランがいくつかあった。頼んだのは、アンコール・ワットなどの主要な遺跡以外に、町から約80km離れたベンメリアという未発掘の遺跡、東南アジア最大の湖トンレサップ、地雷博物館など近郊の観光エリアも含めて3日間で回るツアー。料金は値切って50USドルだった。二人分の100USドル相当をタイバーツで支払い、早速、アンコールの遺跡巡りに出発した。
![ペットボトルのガソリンを注ぐ](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0285-1280x851.jpg)
遺跡ツアーの移動は、けん引タイプのバイクタクシー、トゥクトゥクだ。ガソリンが瓶やペットボトルで売られていて、それをバイクの燃料タンクに注いでいた。
![ベンメリアへの道](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0288-1280x851.jpg)
ベンメリア遺跡までは、牛が横断するのどかな道をひたすら80km。炎天下に砂埃を浴びながら走るトゥクトゥクでの移動は、決して快適ではない。
![カンボジアの高床式住居](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0290-1280x851.jpg)
シェムリアップの町から離れると、農村エリアでは高床式の住居が目立つようになった。雨期の増水をしのぐためだろうか。
![ベンメリア遺跡](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0298-1280x851.jpg)
ベンメリアにはシェムリアップから1時間半ほどで到着。大規模な遺跡がジャングルの密林に埋もれたままになっているので、幻の遺跡と呼ばれている。ベンメリアの遺跡周辺には、多くの地雷が埋まっていたが、撤去作業が進んで2001年から観光客が訪れることができるようになった。
![ベンメリア内部](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0310-1280x851.jpg)
ベンメリアは、遺跡全体がほとんど手付かずのままで崩壊が激しいが、それが逆にいい雰囲気を醸し出していて、まさに幻の遺跡といった感じだ。
![ベンメリアのゲート](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0335-854x1280.jpg)
![木に覆われた遺跡](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0312-853x1280.jpg)
![ベンメリアの幻想的な木](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0333-851x1280.jpg)
![ベンメリア 蟻](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0338-853x1280.jpg)
ベンメリアには観光客が僕らの他に数えるほどしかおらず、美しい鳥の声が響く密林のなかの遺跡をゆっくり、そして汗だくになりながら見て回った。生き物や植物が遺跡に息づいていた。
![ベンメリア 苔に覆われた彫刻](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0314-1280x851.jpg)
朽ちるに任されたままの姿からは以前の状態を想像し難いが、かつてここに人がいたことを想うとその時の流れを遡ってみたくなる。来た道を引き返してアンコール・ワットに向かった。
![アンコール・ワット](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0363-1280x851.jpg)
ベンメリアから戻り、アンコールワットには17:00に到着した。アンコール遺跡群最大の寺院アンコール・ワットは、西日が差し込む時間帯が特に美しいそうだ。500m以上続く広い参道を歩くと、だんだんと本堂が近づいてきた。
![アンコール・ワットのデヴァダー像](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0392-851x1280.jpg)
クメール王朝(アンコール王朝)が栄えた12世紀前半に、3万人の職人が30年をかけて完成させたヒンドゥー教寺院アンコール・ワットは、当時の建築技術の神髄が注がれている。ひんやりとした本堂の内部には、いたるところに細かいレリーフが施されている。クメール語で女神という意味のデヴァダー像は、いたるところに彫られているが、どれも表情が豊かで体のラインなども色気があって美しい。
![アンコールワット 回廊](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0371-1280x851.jpg)
![アンコール・ワット 窓のレリーフ](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0377-1280x851.jpg)
![アンコールワット 光と影](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0378-1280x851.jpg)
寺院内部に西日が差し込むと、光と影のコントラストで遺跡が生きているように変化していた。
![アンコールワット 本堂内部](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0428-1280x851.jpg)
![アンコール・ワット 中央祠堂](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0400-1280x851.jpg)
急勾配の石段を這うように登った第3回廊の中央に高さは65メートルの祠堂がそびえる。西日を浴びて金色に光っていた。
![アンコール・ワットから眺めた景色](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0419-1280x851.jpg)
アンコール・ワットの本堂に登って西の空を眺めると、言葉では言い表せないほど美しい光景を見ることができた。ここに居た900年前の人もこの場所で同じように遠くを眺めていたのだろうか。
![アンコール・ワット 沈む太陽](https://traveloose.com/wp-content/uploads/2019/03/20070503-DSC_0438-1280x851.jpg)
沈む太陽を眺めながら、参道を歩き、待ってくれていたトゥクトゥクで宿に戻った。