畑で息子と話す、微生物と宇宙。

南房総 星空

最近、畑で5歳の息子と話すのが面白い。4月の家庭菜園は、夏野菜の土づくりがメインなので、畑にいても野菜より土に触れている時間の方が多い。

土に牛糞堆肥や鶏糞などの有機質肥料を入れて微生物を元気にしたり、米のもみ殻の薫炭を漉き込んで微生物や細菌の住む土壌環境を整える。鍬を振って土を耕すのは腰が痛くなる重労働だ。畑では息子にも鍬を持たせたり、雑草を抜いたり、スコップで土をほぐすなど、砂場の遊び感覚でやらせてみている。

畑で出た野菜のゴミを家に持ち帰らないように、取り除いた葉や茎は、刻んで乾燥させてから有機質肥料と混ぜ合わせて土の中で分解させている。息子にはこの面倒な作業をやる理由を「土のなかにいる目に見えないくらい小さな微生物たちがこの葉っぱを食べて、ウンコして、それがいい土になるんだよ」と伝えたら、なんとなく理解してくれた。

畑の土の中には、1グラムあたり数億から数十億の細菌がいるとされる。先日、息子と宇宙の図鑑を見ながら、「宇宙にある星の数は地球の砂粒の数より多いかもよ」と話したので、息子は「土の中の微生物は宇宙の星くらいいっぱいいるってこと?」と言っていた。

土の中は宇宙みたいなものだ。土には植物を育てる力がある。生きている土は地球にしか見つかっていない。地球は土の惑星で、土と共に命があって、人も土とつながっている。そして土の上には太陽がある。

4月は家に中にいると朝晩は体が冷えるが、畑で1時間くらい太陽の下にいると少し汗ばむくらい体が暖まるので一日元気良く過ごせる。家の窓際では育苗中の夏野菜が控えている。

(写真は、4月上旬に家族で訪れた南房総のキャンプ場の星空)