オム マニ ペメ フム(ラサ)
「オム マニ ペメ フム」とチベット文字でマントラが刻まれた岩。”Om Mani Padme Hum”は、チベット圏で最も唱えられているマントラ(真言)で、「これを唱える者、そのまわりの生きとし生けるもの全てに平穏が訪れる」とされている。
ラサからネパールとの国境までまる四日間ランクルを運転してくれたドライバーのワンゲンは、毎朝運転を始めるとしばらくの間、このマントラを繰り返し唱えていた。
ポタラ宮の脇にある郵便局(中国郵政)からお土産で買ったものなど、嵩張る荷物を日本へ送った。
ヤクはチベットの人々にとって生活の一部となっているが、チベット仏教では屠殺に関与してはいけないとされており、牛肉や鶏肉は回族(イスラム教徒)が扱っている。ムスリムは肉をその場でさばいて売る。牛肉店の前にはヤクの枝肉が置かれていた。回族は、豚、犬、馬が禁食。つばのない白い帽子をよく被っている。
デプン寺の中庭に置かれた太陽光湯沸かし器。人口衛星のような反射板で太陽エネルギーをヤカンに一点集中させて水を沸騰させる。チベットは平均海抜が4,000mを超えるので沸点が90度以下と低い。強い日差しの下では、数分でお湯が沸くらしい。チベットではこの太陽光湯沸かし器を各地で見かけた。
土産物屋に置かれたチベット仏教のゲルク派のコミカルなフィギュア。黄帽派とも呼ばれるチベット仏教最大の宗派で、この帽子は厳しい戒律を守っている僧の証でもある。
チベットの寺院の入口の屋根には、黄金の法輪(チャクラマーク)と鹿の像がある。チャクラの中心から伸びる8本の柱は悟りに至るための道を、輪は悟りを、その輪の周りは悟りの極地を表し、さらにこの輪の回転が輪廻転生を表している。日本で俗に生きていると、なんのこっちゃと言う話だが、チベットでは大事なんだと思う。
鹿はインドのサールナートでブッダが最初に説教したとされる動物。サールナートには訪れたことがあるので、その話はまた改めて書きます。
ヤクウール(ヤクの毛)で編んだテキスタイル製品などを扱う店。ヤクは、チベット高原に生息する牛の一種で、そのウールは寒冷な環境に適した質の高い繊維として知られている。
ラサのバス停。
チベットの次の目的地はネパールの首都カトマンズ。ラサからネパールまではヒマラヤの険しい山道を超えるので、ランドクルーザーなどの四駆をチャーターして移動するのが一般的だ。ラサからカトマンズまでは、ルートにもよるが移動に数日必要で、チャーター料金は一台6,000元~8,000元(90,000円~120,000円)かかる。グループを作って割り勘するため、宿の掲示板にはチベット各地への行き先別に、同行者を募るたくさんの貼り紙があった。チベットで行方不明になったツーリストを探す貼り紙もある。
僕らは、マイコ、ケン、アツシ、ローワンの5人でチャーターをすることにした。申し込みをしたの金曜の午後だったのでパーミットの発行が月曜になるため、出発は早くて火曜ということになった。チベット自治区には、入る際も入域許可証が必要だが、入ってからもラサ以外の地方に行く場合には、パーミットを取得しなければならない。ラサを出発して4泊5日でネパールとの国境があるダムという町へ行くプランは、5人で6,500元(約98,000円)だった。