古都ルアンパバーンとメコン川のパークウー洞窟
ルアンパバーンは、メコン川流域に14世紀以降に栄えたラーンサーン王朝の古都。
1706年にルアンパバーン王国としてラーンサーン王朝から独立したが、1778年にシャム(現タイ)に占領されて属領となり、1893年には南のヴィエンチャン王国と共ににフランスの保護国となった。
その間もルアンパバーンは王国として継続していて、1949年にフランスからラオス王国として独立した際は、ルアンパバーン国王のシーサワーンウォンがラオス初代国王に即位した。
1975年の共産主義革命で王制が廃止されるまでルアンパバーン王国は、ラーンサーン時代からの王権思想が続いていた。
そんなルアンパバーンの古都は、小さな町に約80上座部仏教寺院や王宮が残るラオス屈指の観光地となっている。
1995年に町全体が世界遺産に登録されてから観光客が急増し、4月のラオス正月ピーマイラーオの時期には町のホテルやゲストハウスがパンクするほどの旅行客で混雑するそうだ。
以前から旅先で会おうと話していた日本の友人Kとルアンパバーンで合流した。Kは高校時代からの地元の仲間で、タイ北部のチエンコーン/フアイサーイ国境を越えてルアンパバーンまで一人旅を続けていた。いつもは地元で会う仲間とラオスで一緒にいるのは不思議な感じだ。再会後、僕らは三人でメコン川の25km上流にあるパークウー洞窟へ行ってみることにした。チャーターしたボートで洞窟までは約2時間。
洞窟までの移動はメコン川のクルーズも兼ねている。川に飛び込んで遊ぶ子供たち、水浴びをする水牛、オレンジ色の袈裟の僧。ずっと昔から変わっていないような光景、こんな瞬間を見たいから旅をしているんだと思う。
パークウー洞窟は、メコン川の巨大な絶壁にある洞窟。下部のタム・ティンと上部のタム・プンに別れている。
パークウー洞窟の下部、タム・ティンには4,000体以上の仏像が所狭しと置かれている。これらは周辺の人々が納めた仏像で、特に手入れをされていないのか風化で傷んでいるものが多かった。大小様々な仏像がメコンを眺めていた。
上部の洞窟タム・プンは、ライトがないと何も見えないくらいに真っ暗だった。ここにも多くの仏像が置かれていた。中から見る入り口の扉がいい雰囲気だった。
洞窟の帰りに蒸留酒ラオラオを造るメコン川沿いの集落に寄った。ラオラオはもち米を原料とした焼酎のようなお酒。これが東南アジアから琉球に渡り、泡盛のルーツになったともされている。1瓶買って帰った。
帰りのボートから山の方を見ると彩雲が出ていた。虹が溶けたような夕暮れのメコンの空を眺めながらルアンパバーンに戻った。
ルアンパバーンのナイトマーケット。裸電球の明かりの下に屋台が並び、たくさんの人で賑わっている。 屋台で食事してほろ酔いでゲストハウスへ戻った。