古都フエの旧市街にあるグエン朝王宮を観光
フォン川を挟んで新市街と旧市街に分かれるフエ観光のメインは、旧市街に残る王宮やフォン川沿いに点在する歴代皇帝の帝廟や陵墓など、世界遺産にも登録されている歴史的な建造物巡り。早速、ゲストハウスから歩いて旧市街に残されたグエン朝王宮へ向かった。
3世紀ごろからチャム族が住んでいたフエは、10世紀にはチャンパ王国の中心になった。チャンパ王国の滅亡後、フエを中心とした内乱に勝利したグエン氏によってグエン朝が建国され、フエは1802年から1945年の間、グエン朝の都として栄えた。
王宮の南門から内部に入ると、中国の紫禁城を模した宮殿や寺院があり、その荘厳な造りから当時の皇帝の偉大さや華やかさが伺える。
王宮ゆかりの品々を展示した部屋には、実際に皇帝が着ていた衣装があった。この派手な刺繍もそうだが、龍をもリーフにしたものが多く、建物の屋根や階段などいたるところに龍の彫像があった。
龍が多いなぁと写真を撮っていたら足下にヘビがいた。ベトナムにおける「龍」は文化や信仰の中で特別なものとなっており、グエン朝の皇帝の絶対的権威の象徴とされていたらしい。
フエはベトナム戦争時に激戦地だっため、この王宮内の多くの建物も破壊されてしまった。修復作業もされているようだが、崩れたままの屋敷があったり、壁に銃弾の跡が残されていたりと、歴史的な建造物が近代の戦争で傷ついていた。
王宮の門の上から眺めるお堀の景色は、日本の皇居の周りを彷彿とさせる。
王宮の向かいにはフエのシンボル、フラッグタワーがあり、大きなベトナム国旗が風に揺れていた。
王宮見学を終えて外に出ると、ちょうど下校時間帯で、純白のアオザイを着るフエの女子高生の姿を目にした。民族衣装のアオザイは、多くの高校で制服に採用されているそうだ。アオザイの長い裾がひらひらと揺れていて、ベトナムらしい光景だ。
旧市街からの帰りは、前が2輪、後ろが1輪の三輪タイプの自転車タクシーのシクロに乗ってゲストハウスに戻った。シクロを漕ぐ運転手の男は、ビーサンを片方しか履いていなかった。