香港で中国の長期滞在ビザを申請し、ビクトリアピークで夜景を眺める
香港到着の翌朝、宿泊した雑居ビル、チョンキンマンションから通りに出ると、外はひどい暑さですぐに汗が吹き出した。バンコクも暑かったが香港はまさにコンクリートジャングルだ。晴れているのに雨が降っていると思ったらビルの外壁に取り付けられた室外機の排水がそのまま歩道に落ちていた。
このあと中国を旅する上で必要なのが中国ビザだ。日本人は中国に15日間以内の滞在ならビザがなくても問題ないが、チベットを越えてネパールまで中国を横断しようと考えているので1ヶ月以上のビザが必要だった。バンコクの中国大使館では長期ビザの発行が難しいようなので、ここ香港で中国ビザを取得できることに賭けていた。とりあえず、宿の近くにあった旅行代理店に行ってみると、210香港ドル(3,300円)で中国の3ヶ月ビザを代行取得できるとのこと。ビザの取得に3日間かかるそうなので預けたパスポートが返ってくるまで安心はできないが、すぐに中国の長期ビザが取得できて幸先が良い。
チョンキンマンションから10分歩くと、九龍半島からビクトリア湾を挟んで南側の香港島を眺めることができる。英国統治時代、香港島の限られた土地に多くの建物が密集して建てられ、それが近代化によって高層ビル群へと姿を変えた。香港の夜景を見るため、香港島にスターフェリーで渡り、ビクトリアピークと呼ばれる山の上のビュースポットまで行ってみることにした。
香港島で二階建てバスに乗って山頂まで向かう。山の中腹にもマンションが建ち並んでいる。
山頂のビクトリアピークには、大きなショッピングモールがあり、その屋上から香港の景色を一望できるようになっていた。山頂に着いたのは日が暮れる前だったので、バーガーキングで時間を潰し、日が暮れてから再び屋上へ行った。
夜のビクトリアピークは昼間とは比べ物にならない数の人で混雑している。眼下にはこれまでに見たこともない規模の夜景が広がっていた。光の色が変わるビルや、夜空を動くレーザーで照らしているビルなどもあって夜景のショーを見ているようだった。
九龍半島から眺める香港島の高層ビル群。
香港島は金融ビジネスの町で、バックパッカーには場違いだが、九龍は庶民的な雰囲気があって街歩きも楽しい。外で食事をすると日本の物価と変わらない感じだ。
夜遅くなっても九龍の通りは賑やかで、蒸し暑い東京の夏の夜と変わらない感じだ。危ない雰囲気もない。繁華街の人や車を見る限りでは、好調な経済成長をある程度、皆が享受できているような印象を受けた。
2006年の香港人の月収を調べてみると、4,000〜20,000香港ドル(約6.4万〜32万円)の中間層とされる割合が66.4%、4,000香港ドル以下の貧困層が11.7%、20,000香港ドル以上の富裕層が20.9%だった。貧困層の割合は変わらないまま、富裕層が年々増え続けている状況らしい。[出所:Census and Statistics Department (2007)]