古都ホイアン観光 2日目
ホイアンは、2世紀~17世紀にベトナム中部で栄えたチャンパ王国の時代に、中国、オランダ、インド、イスラム世界を結ぶ海上交易の中継地点として発展した歴史の長い町だ。現在のホイアンの小さな港からは、かつての国際交易時代を伺い知ることはできないが、古い町並みは歴史を物語っている。
日本は室町時代に朱印船を通してホイアンと貿易を行っていて、この町に日本人街も形成されていたそうだ。日本の鎖国によって日本人の数は少なくなったが、現在もホイアンには当時の日本人が掛けた屋根付き橋の来遠橋や、日本の建築様式が採用されたレトロな家がいくつか残っている。
ホイアンの町並みの多くは、華僑によって造られたもの。古い民家の多くは観光客向けの土産物屋へと姿を変えているが、当時の家をそのまま改装して使っているので、町を歩いていると過去にタイムスリップしたような感じがする。
ホイアンの通りは観光客が多いが、少し路地に入るとのどかな光景も目にする。軒先で手毬で遊ぶ子供の姿が印象的だった。
チャンパ王国時代のホイアンには、たくさんの華僑が移り住んだことから、出身地区ごとに中華系会館が作られ、内部には仏教寺院も置かれている。現在も派手な門構えの中華系会館がいくつか残っていて、中に入ると天井からぶら下がったたくさんの巨大なうずまき線香が煙をくゆらしていた。
ホイアンの市場はたくさんの食材が所狭しと並んでいた。国が南北に細長いので異なる気候風土によってとれる種類も多く、メコンの恵みを受けた食材から海産物までとにかく豊富だ。昼下がりの時間だったので、おやすみ中の方も多かった。
古い建物でホイアンの伝統音楽コンサートを鑑賞した。小さなステージだが、笛や弦楽器や太鼓などから奏でられるリズムに乗って、歌や伝統舞踊を披露していた。東南アジアというよりは、中国の王宮音楽や雅楽的な音の印象を受けた。ベトナムも日本と同じように古来の中国からの文化的影響が色濃い。
ホイアンの特産品はランタン。土産物屋では、竹製の伝統的なランタンが町中で売られていた。ランタンの優しい光が照らす夜の町並みは風情があっていい。
今夜もトゥポン川沿いのレストランで食事をした。ホイアンは人気の町だけあって観光客が多く、どこのレストランも賑わっているようだ。ベトナムのノービザ滞在期限がなければ、ホイアンにはもう少し長く滞在したかった。